第52回女流陶芸展「なにわ国内留学賞」受賞 製作過程公開

 

2018年10月10日〜14日まで京都市美術館にて開催されている、第52回女流美術展。

今回で3回目、女流会員としては初めての出品をしました。

 

 

第52回女流陶芸展「なにわ国際留学賞」受賞

作品名は「希望の芽」

 

製作のきっかけは「屋久島縦走登山」からの実体験。

 

登山中に靴が壊れてしまい、朽ち果てた大木の側の岩に腰掛けた際、足元に新芽を発見した出来事。

 

その情景を作品にしました。

 

「木」「靴」「葉っぱ」などの形あるものをモチーフにした為、デザインの創造性という点では欠ける為、受賞は難しいと思っていたので、結果を知らされて驚きました。

 

 

今まで私は陶芸教室、県民大学、市の生涯学習などの環境で陶芸を習ってきたため、どうしても独学の要素が強く、足りない部分を感じていました。

 

今回の受賞で、本格的な勉強の機会を与えていただけることに感謝しています。

 

「希望の芽​」の製作過程 作り方

 

今回は受賞作品の製作過程やエピソードを一部公開したいと思います。

 

まずは土台となる切り株や、靴のデザインを決めるための素材集め。

 

数種類の土をブレンドして、薄く伸ばした後、落ち葉をかたどりました。

 

次に実際の靴をかたどって、土で靴裏を再現。見えないところにもこだわりました。

 

 

切り株の中にある小さな石は、白土を叩いて加工。石の風合いを再現。

裏面はくり抜いていきます。

内部用の土台の上に、靴と石を乗せて乾燥中↓

 

苔の部分だけ色をつけて素焼き。

↑これは素焼き前の段階

 

素焼き後はこんな感じ↓

 

続いて、切り株の土台を作っていきます。

これは左半分をきったところ↓

次に、紐作りで切り株を作っていきます。

左右合わせると切り株ができていきます。

 

大木の雰囲気を演出するため、時間をかけて凹凸をデザイン。

内部はこんな感じ

 

二つ合わせます。

 

大枠が出来た後は、細部のデザイン。

木の肌や、腐食した感じを出すために内部に、土を何重にも重ねていきました。

小さいパーツを貼り付けていきます。

   

外部はこちら↓

 

自分の想像以上に時間がかかりました。

 

素焼き後はこうなりました。

 

 

 

 

 

素焼き後は、色つけ作業です。目的の色が出るまで何度も塗り重ねています。

 

 

続いて、土台と靴の部分の接続のため低温透明釉薬を塗っていきます

 

 

素焼きした杉の葉や、新芽を用意して

 

土台に靴と葉っぱを乗せた状態がこちら

 

 

その後一度めの本焼きをした状態がこちら↓

 

 

 

 

その後何度か色を付け直して、本焼きを重ね

 

出来上がりがこちら

 

 

 

 

以上今回の作品の製作過程を振り返ってみました。

 

時間がかかり過ぎましたが、その分納得いく作品が出来たと思います。

 

今回の受賞を糧に、さらに良いものを作れるように励んでいきたいと思います。

 

▼公式サイトも是非

第52回女流陶芸展公式サイト

▼朝日新聞さまに取り上げていただきました

女流陶芸展 3賞決まる|朝日新聞

 

 

2018年10月13日 | Posted in 陶芸展 | タグ: , 1 Comment » 

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コメント1件

  • 坂本直美 より:

    ひろ子さん、おめでとうございます。
    すごい工程をたどるのですね!
    先日、「私のは時間がかかるから〜」と言われてたことが
    とても理解できました。
    何かを求めるなら作品展を選ぶ時期が来てますね!
    斬新な仕事で中央を目指して欲しいなって思いました。
    頑張ってください!応援してるからね!!!
         

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